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2012年12月17日月曜日

15. 見えない頂上には何があるのか。



ロジは外に出ていた。 

2週間ほどたったが、オリジンの世界を見るのに飽きることはなかった。セントロは、整然と区画されているわけではないが、ごちゃごちゃした印象はまるでなく、それでいて、洗練されたものばかりが並んでいるというのが、ロジの目にも分かった。

研究館も、ほかに引けを取らないクオリティの高さだ。館内には、ほぼオールジャンルをカバーする研究施設があり、さらに、現在に至るまで全ての科学データベースもここにあった。外観は、シンプルだが、壮観といってもよく、巨大で、まぶしいグレーの壁が印象的だ。

巨大さを強調するものは多かった。

例えば、音楽館というところでは、巨大なオリジンが巨大な楽器を演奏する。もちろん、ホログラフィを使った3D映像なのだが、近くに行くまでは本物としか思えないほどリアルなのだ。他にも、料理や建築、古代語学などの施設があり、中には、"金魚すくい"などという、マニアックなものも数多く存在したが、どれも外観だけでレベルの高さを見て取れた。

ぶらぶらと、分からないものを調べつつ、街を散策していた。大体のものは、写真を撮ると、画面型PCが認識し、正式名称と、対象物が何であるかを教えてくれる。ちなみに、ワープシステムのおかげで、移動するのに苦労することはない。どれだけ離れているところへも、そこら中にあるワープによって、行きたいところを選択し、一瞬でたどり着くとこができるのだった。

入口のない大きな建物がある。セントロの中心、つまり、オリジン・ランドの中心部だった。

それは、山のように大きく、遠くからでしかその全体を見ることは不可能だ。

巨大な円錐―――正確には、多角錐――――の形をしており、ガラスのような素材でできているが、中を見ることは不可能で、代わりに、空や街が映っているので、鏡に近い素材なのかもしれない。

頂点から、多角錐の角に沿い、黒く丈夫そうな柱のようなものが通っている。近づくと、横に広がる端は見えるか見えないほどでしか確認することができず、”縦”にいたっては、頂上を見ることはできない。

太陽の光がキラキラとあたり、綺麗だった。

ロジは、オリジン統合ワープシステムの前にいた。 

何度もここへ来た。ウィルダネスにいたころ、唯一の資源だと思い込んでいた、ナチュラルリソースが転送される場所、そして、ウィルダネスとの唯一のコネクションルート。

どれだけのウソで、彼らは、自分たちの世界の中心に、これを立てたのだろうか。

いや、どれだけが嘘かという話ではない。全てが”嘘”なのだ。”嘘”を世界の中心におき、世界中の人々をだまし、だまし続けるのだろうか。

彼らにとっては、それでいいのかもしれない。何も知らなければ、ややこしいことを考える必要もないのだから。幸せな世界にとどまっていればいいのだ。

―――ただ、僕たちにとっては違う。

ロジは、見えない頂上を見上げていた。ふと、ロジは、その頂上を見たくなった。果てしなく続く、この”嘘”の真上からは、何が見えるのだろうか。

ロジは、登り始めていた。

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