裏側の世界の荒野には、人々はすまない。荒野には、この世でここにしかいない、ただ一つの種族が生息していた。
彼らは大きめの犬くらいの大きさで、熊のようにふさふさとした明るい茶色の体毛で覆われており、顔つきは柴犬に似ている。彼らは私たちと同じ言葉を話す。それに、普段は4足歩行だが、2足歩行もし、5本の指で道具を使うこともできる。社会も形成していて、行動様式は人間に近いものがあるようだった。
彼らはリトルスピーシーと呼ばれる。
リトルスピーシーは、私たちと同じものを食べるが、しかし、彼らはそれをゴミの中から探す。彼らの生活の全ては、山から噴出するゴミから成り立っているのだ。食べ物はもちろん、住む家、様々な道具や知識もゴミから得る。彼らの生活に、ゴミは切っても切り離せないものであった。この荒野には、森も川も、草木もほとんどないので、まさに、ゴミこそが最大の資源となるのだった。
このようなことから、彼らの世界では、ゴミのことをナチュラルリソース(資源)と呼ぶ。
彼らは、降ってくるごみを、分析し、分別し、荒野中に送りだし、分配して、そして、1か所に積み上げる。かなりの統率がとれたその集団行動は、見事と言うべきだろう。
その中に、ロジという若者がいた。彼は、RU連合(リソースアップ連合)という、すべてのリソース分配を円滑にするための組織で働いている。働き始めて何年か経ち、組織の全体が見え、ちょうど慣れが出てきたようなところだ。
ゴミを最大の資源とするこの社会で、RU連合で働くというのは、とても名誉のあることであった。
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